北条氏の築城技術である二重土塁が見られる城跡〜茅ヶ崎城(ちがさきじょう・武蔵(神奈川))
説明板などがなければ、ただの公園にしか見えないだろう。。
こんにちは、シンです。
今日も今日とて、お城巡りです🚙
2023年7月14日(金)。
神奈川県横浜市都筑区にある茅ヶ崎城(ちがさきじょう・武蔵)にやってきました🚙
![](https://i0.wp.com/transientcastle.com/wp-content/uploads/2023/07/IMG_8190.jpg?resize=1024%2C768&ssl=1)
◉城のジャンル
丘城(おかじろ)
◉文化遺産としての見どころ
◉防御施設としての見どころ
◉駐車場所
近くに駐車できる場所はなし
最寄り駅:横浜市交通局 高速鉄道本部センター南駅(徒歩3分ほど)
付近には公園用の駐車場がないため、
車で来た場合は、有料のコインパーキングを探すしかありません。
横浜市交通局 高速鉄道本部センター南駅というのが近くにあるので(城址公園まで徒歩3分ほど)、
電車を利用される場合は、そこが最寄駅になります。
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Googleマップを頼りに、近くまで歩いてくるとこのような矢印版があります。
![](https://i0.wp.com/transientcastle.com/wp-content/uploads/2023/07/IMG_8146.jpg?resize=1024%2C768&ssl=1)
歩きながら城址公園を見上げた図です。
これに沿って歩いていけば迷うことはないでしょう。
今は公園になっている城跡は、だいたい、外観がこのような造りになっています。
![](https://i0.wp.com/transientcastle.com/wp-content/uploads/2023/07/IMG_8147.jpg?resize=1024%2C768&ssl=1)
さらに進んでいくと、前方に自転車などを停められるスペースが見えてきました。
周囲は閑静な住宅街です。
![](https://i0.wp.com/transientcastle.com/wp-content/uploads/2023/07/IMG_8148.jpg?resize=1024%2C768&ssl=1)
ありました!!
城跡を巡るたび、つくづく思うのですが、
こういった説明板などがなければ、
(特に城巡り初心者にとっては)
ここが城跡だとはまったく気づかないかもしれません。。
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二重土塁!!
北条氏特有の築城技術ですね。
![](https://i0.wp.com/transientcastle.com/wp-content/uploads/2023/07/IMG_8150.jpg?resize=1024%2C768&ssl=1)
これが茅ヶ崎城の簡略的な縄張り図ですね。
まずは手前の北郭から見ていきます。
どこに土橋の跡が?しかし外側からよくみると、、
この茅ヶ崎城は丘城(おかじろ)規模のものなので、
登るのはそれほどキツくありません。
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さっそく公園入り口から登っていきます。
傾斜はせいぜいこの程度で、本格的な山城と比べれば、大したことはありません。
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階段を登ったところに、このような分岐点が。。
まずは左側の北郭から。
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今の分岐点からそれほど歩くことはありません。
もう目の前に見えてます。
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ここが北郭ですね。
奥に住宅が見えているので、
やはりそれほど比高(ひこう・高さ)がある城ではない、ということが分かります。
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北郭の奥に、このような説明板がありました。
しかし、どこに土橋の跡が、、?
周囲を見渡しても、それらしきものは見当たりません。。
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この奥は、下が住宅街のある道路になっています。
もしかして、下側に降りると分かるかも、、?
そう思って降りてみることに。
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ありました!!
ちょうど先ほどの説明板があった位置を下から見上げた図です。
![](https://i0.wp.com/transientcastle.com/wp-content/uploads/2023/07/IMG_8162.jpg?resize=1024%2C768&ssl=1)
反対側に回って撮影した写真です。
土橋は空堀を掘り残して造られたものですので、
この道路もおそらく空堀だったのかもしれません。
これは城巡りに慣れていない方にとっては、『なんのこっちゃ?』と首を傾げることでしょう。
草に覆われて判別は難しいが、遺構の跡を発見。
北郭の様子を確認できたので、
次は中郭(本丸)へ。
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北郭からこのように分かりやすく道が伸びています。
ホント、こういった矢印版などがなければそれとは気づかないでしょう。。
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ここが中郭です。
結構な広さがあります。
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草が生い茂っていて分かりにくいのですが、
盛り上がった土塁の跡が。
こういうことを考えると、やはり夏の盛りに城跡を訪れるのは考えものですね。。
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『郭(くるわ)とは何ぞや?』
というのを、ここで説明してくれています。
城兵が城を守るために集まる、平(たいら)に土地をならした区画ですね。
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この中郭には、城兵たちの住居跡の遺構が残っているようなのですが、、
![](https://i0.wp.com/transientcastle.com/wp-content/uploads/2023/07/IMG_8172.jpg?resize=1024%2C768&ssl=1)
ここも草が生い茂っていて分かりにくいのですが、、
確かに、ところどころに石や区画された跡地が見えます。
やっぱり、夏に訪れると、こういった点は残念ですね。。
腰曲輪を擁する、”武者溜まり”となった東郭
次に、東郭を見にいきます。
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この道を奥に進むといいようです。
![](https://i0.wp.com/transientcastle.com/wp-content/uploads/2023/07/IMG_8174.jpg?resize=1024%2C768&ssl=1)
この先の道が左側にV字に折れ曲がっていて、
いったん坂道をくだるようになっています。
![](https://i0.wp.com/transientcastle.com/wp-content/uploads/2023/07/IMG_8177.jpg?resize=1024%2C768&ssl=1)
と、東郭に向かう途中、根小屋を見つけました!!
説明板にある通り、まだ城下町がなかった当時、
戦のない平時には城兵が待機していた場所だったようです。
![](https://i0.wp.com/transientcastle.com/wp-content/uploads/2023/07/IMG_8176.jpg?resize=1024%2C768&ssl=1)
このような航空写真で見ると、
それぞれの郭の位置関係、
敵兵がどこからどう攻めてくるか、なんとなく察しがついてきます。
それほど標高がない丘城ですが、『根小屋』が山のふもとにあったというのもこれで分かりますね。
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そしてここが、中郭と東郭をつなぐ土橋だった様子。
![](https://i0.wp.com/transientcastle.com/wp-content/uploads/2023/07/IMG_8183.jpg?resize=1024%2C768&ssl=1)
東郭に到達!!
それほど広くはありませんが、、
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この東郭は、実はこの茅ヶ崎城で最も高い位置にあり、
いざというときには城兵の籠城場所だった様子。
”武者溜まり”としての役割があり、一段下には腰郭(山腹に造られたもの)を備えていました。
守りが堅かったことが想定されます。。
西郭付近で二重土塁を確認!!
それでは最後に西郭を検分していきます。
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東郭と西郭の分岐点にやってきました。
この茅ヶ崎城跡は、それほど広大な敷地ではないので迷うことはありません。
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ホント、夏場でなければ、この道ももう少し、
地形や遺構が分かりやすかったでしょうか。。
![](https://i0.wp.com/transientcastle.com/wp-content/uploads/2023/07/IMG_8187.jpg?resize=1024%2C768&ssl=1)
少しだけ開けた区画にやってきました。
もしかしてこれが西郭?
![](https://i0.wp.com/transientcastle.com/wp-content/uploads/2023/07/IMG_8188.jpg?resize=1024%2C768&ssl=1)
やはりそのようです。
郭によって広さもだいぶ違いますね。。
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おそらくこの道が空堀だったのでしょう。
左右に高くそびえる土塁が北条氏の固有築城技術、二重土塁と思われます。
敵兵は下から攻め寄せる場合、左側の土塁を越え、さらに右側にそびえる土塁をよじ登らなければなりません。
![](https://i0.wp.com/transientcastle.com/wp-content/uploads/2023/07/IMG_8190-1.jpg?resize=1024%2C768&ssl=1)
やはりそうですね。
道が整備されていると、一見、空堀とは見えない場所も多くあります。
公園となっている城跡にはこのような光景が多い印象です。
![](https://i0.wp.com/transientcastle.com/wp-content/uploads/2023/07/IMG_8191.jpg?resize=1024%2C768&ssl=1)
実はこの公園内の最初の入り口が虎口であることを忘れてました!
虎口とは、、
城兵の城への出入り口であり、敵兵にとっては攻め入る場所ですから、
簡単に入って来れないよう、道に傾斜をつけたり、折れ曲がるように道を造ったりして、
敵兵の進軍速度を緩める工夫が施されていました。
![](https://i0.wp.com/transientcastle.com/wp-content/uploads/2023/07/IMG_8192.jpg?resize=1024%2C768&ssl=1)
ご覧のように、ここの虎口は坂道となっていて、
しかも分岐するように道が折れ曲がっています。
敵兵がここでモタモタしている間に、左右の土塁上から城兵が矢を射かける、という構図です。
茅ヶ崎城の検分はこれにて終わります。
二重土塁を備えた城跡は他にもありますので、以下の記事も参考までにどうぞ。