北条氏の築城技術である二重土塁が見られる城跡〜茅ヶ崎城(ちがさきじょう・武蔵(神奈川))

2024年6月24日

説明板などがなければ、ただの公園にしか見えないだろう。。

こんにちは、シンです。

今日も今日とて、お城巡りです🚙

2023年7月14日(金)。

神奈川県横浜市都筑区にある茅ヶ崎城(ちがさきじょう・武蔵)にやってきました🚙

茅ヶ崎城(武蔵・神奈川県)

◉城のジャンル

丘城(おかじろ)

◉文化遺産としての見どころ

評価 :0.5/5。

◉防御施設としての見どころ

評価 :3.5/5。

◉駐車場所

近くに駐車できる場所はなし

最寄り駅:横浜市交通局 高速鉄道本部センター南駅(徒歩3分ほど)

付近には公園用の駐車場がないため、

車で来た場合は、有料のコインパーキングを探すしかありません。

横浜市交通局 高速鉄道本部センター南駅というのが近くにあるので(城址公園まで徒歩3分ほど)、

電車を利用される場合は、そこが最寄駅になります。

Googleマップを頼りに、近くまで歩いてくるとこのような矢印版があります。

歩きながら城址公園を見上げた図です。

これに沿って歩いていけば迷うことはないでしょう。

今は公園になっている城跡は、だいたい、外観がこのような造りになっています。

さらに進んでいくと、前方に自転車などを停められるスペースが見えてきました。

周囲は閑静な住宅街です。

ありました!!

城跡を巡るたび、つくづく思うのですが、

こういった説明板などがなければ、

(特に城巡り初心者にとっては)

ここが城跡だとはまったく気づかないかもしれません。。

二重土塁!!

北条氏特有の築城技術ですね。

これが茅ヶ崎城の簡略的な縄張り図ですね。

まずは手前の北郭から見ていきます。

どこに土橋の跡が?しかし外側からよくみると、、

この茅ヶ崎城は丘城(おかじろ)規模のものなので、

登るのはそれほどキツくありません。

さっそく公園入り口から登っていきます。

傾斜はせいぜいこの程度で、本格的な山城と比べれば、大したことはありません。

階段を登ったところに、このような分岐点が。。

まずは左側の北郭から。

今の分岐点からそれほど歩くことはありません。

もう目の前に見えてます。

ここが北郭ですね。

奥に住宅が見えているので、

やはりそれほど比高(ひこう・高さ)がある城ではない、ということが分かります。

北郭の奥に、このような説明板がありました。

しかし、どこに土橋の跡が、、?

周囲を見渡しても、それらしきものは見当たりません。。

この奥は、下が住宅街のある道路になっています。

もしかして、下側に降りると分かるかも、、?

そう思って降りてみることに。

ありました!!

ちょうど先ほどの説明板があった位置を下から見上げた図です。

反対側に回って撮影した写真です。

土橋は空堀を掘り残して造られたものですので、

この道路もおそらく空堀だったのかもしれません。

これは城巡りに慣れていない方にとっては、『なんのこっちゃ?』と首を傾げることでしょう。

草に覆われて判別は難しいが、遺構の跡を発見。

北郭の様子を確認できたので、

次は中郭(本丸)へ。

北郭からこのように分かりやすく道が伸びています。

ホント、こういった矢印版などがなければそれとは気づかないでしょう。。

ここが中郭です。

結構な広さがあります。

草が生い茂っていて分かりにくいのですが、

盛り上がった土塁の跡が。

こういうことを考えると、やはり夏の盛りに城跡を訪れるのは考えものですね。。

『郭(くるわ)とは何ぞや?』

というのを、ここで説明してくれています。

城兵が城を守るために集まる、平(たいら)に土地をならした区画ですね。

この中郭には、城兵たちの住居跡の遺構が残っているようなのですが、、

ここも草が生い茂っていて分かりにくいのですが、、

確かに、ところどころに石や区画された跡地が見えます。

やっぱり、夏に訪れると、こういった点は残念ですね。。

腰曲輪を擁する、”武者溜まり”となった東郭

次に、東郭を見にいきます。

この道を奥に進むといいようです。

この先の道が左側にV字に折れ曲がっていて、

いったん坂道をくだるようになっています。

と、東郭に向かう途中、根小屋を見つけました!!

説明板にある通り、まだ城下町がなかった当時、

戦のない平時には城兵が待機していた場所だったようです。

このような航空写真で見ると、

それぞれの郭の位置関係、

敵兵がどこからどう攻めてくるか、なんとなく察しがついてきます。

それほど標高がない丘城ですが、『根小屋』が山のふもとにあったというのもこれで分かりますね。

そしてここが、中郭東郭をつなぐ土橋だった様子。

東郭に到達!!

それほど広くはありませんが、、

この東郭は、実はこの茅ヶ崎城で最も高い位置にあり、

いざというときには城兵の籠城場所だった様子。

”武者溜まり”としての役割があり、一段下には腰郭(山腹に造られたもの)を備えていました。

守りが堅かったことが想定されます。。

西郭付近で二重土塁を確認!!

それでは最後に西郭を検分していきます。

東郭西郭の分岐点にやってきました。

この茅ヶ崎城跡は、それほど広大な敷地ではないので迷うことはありません。

ホント、夏場でなければ、この道ももう少し、

地形や遺構が分かりやすかったでしょうか。。

少しだけ開けた区画にやってきました。

もしかしてこれが西郭

やはりそのようです。

郭によって広さもだいぶ違いますね。。

おそらくこの道が空堀だったのでしょう。

左右に高くそびえる土塁が北条氏の固有築城技術、二重土塁と思われます。

敵兵は下から攻め寄せる場合、左側の土塁を越え、さらに右側にそびえる土塁をよじ登らなければなりません。

やはりそうですね。

道が整備されていると、一見、空堀とは見えない場所も多くあります。

公園となっている城跡にはこのような光景が多い印象です。

実はこの公園内の最初の入り口が虎口であることを忘れてました!

虎口とは、、

城兵の城への出入り口であり、敵兵にとっては攻め入る場所ですから、

簡単に入って来れないよう、道に傾斜をつけたり、折れ曲がるように道を造ったりして、

敵兵の進軍速度を緩める工夫が施されていました。

ご覧のように、ここの虎口は坂道となっていて、

しかも分岐するように道が折れ曲がっています。

敵兵がここでモタモタしている間に、左右の土塁上から城兵が矢を射かける、という構図です。

茅ヶ崎城の検分はこれにて終わります。

二重土塁を備えた城跡は他にもありますので、以下の記事も参考までにどうぞ。

➡︎『各地の城一覧』ページ