築城者など歴史が不明、しかし見ごたえのある連郭式の丘城〜増尾城(ますおじょう・下総(千葉))
30分以内で見て回れる、見応えのある丘城
こんにちは、シンです。
2023年5月2日(火)。
今日は千葉県柏市にある増尾城(ますおじょう)を見てきました🚙
◉城のジャンル
丘城
◉文化遺産としての見どころ
◉防御施設としての見どころ
◉駐車場所
増尾城址公園内に駐車場あり(5、6台分ほど)
東武アーバンパクライン新柏駅から徒歩約25分
見終えての感想はズバリ!
こじんまりとした造りですが、、
虎口(こぐち)に土塁、空堀に腰曲輪(こしぐるわ)などなど、
特に土城マニアにとっては十分見応えのある城、といえます。
それら城の防御施設を一つずつ解説していきます。
虎口で櫓の上から集中攻撃を受けたであろう、、
まず、増尾城趾公園に到着、
車を駐車場に停め、石段を登っていきます。
ここでさっそく、何かあるかもしれないと変な期待を抱きつつ、
動画撮影しました。
(結果的には虎口から副郭(ふくくるわ)に侵入していました。。)
不覚にも、最初は虎口(こぐち)とは知らず、普通に歩いていました。
虎口(こぐち)とは、、
城兵が城に入るための出入り口のこと。
しかし、敵兵が簡単に侵入してきては意味がないので、虎口はわざと折れ曲がるようにして敵の進軍速度を緩めるように作ったり、近くに土塁や櫓などを建設してそこから敵兵を狙い撃ちできるようにしたもの。
いや、浅はかでした。。
ひとまず、開けた台上に着いたので、すぐ説明板らしきものに近づきます。
説明板の隣に、この石碑がありました。
こんな説明板がありました。
増尾城は戦国時代、
高城氏の部将が支配していたようですが、
築城者など、それ以外の情報は一切不明なようです。
このように増尾城の縄張りを確認してみると、
主郭と副郭から構成される連郭式の丘城ですね。
それぞれの入り口には虎口があり、しかも副郭に入る虎口のところには櫓台もあり、
城兵はおそらく、ここから敵兵を狙い撃ちしたのでしょう。
さらに主郭、副郭ともに土塁に囲まれ、その下に腰曲輪(こしぐるわ)が取り巻いてます。
あらためて虎口(こぐち)の様子を確認しようと、
いったんここまで戻ってきました。
右側に見える階段を登ると副郭に到達しますが、
左にあったと思われる櫓台の上から、攻め寄せる敵兵は射撃を受けたでしょう。
ここで実際、櫓台があった場所に上り、上から動画撮影してみました。
いかがでしょうか?
ちょうど敵兵が虎口を折れ曲がるようにして登ると想定すれば、
その間にこの櫓台の上から射撃を浴びせます。
そしてこの櫓台は土塁の上に築かれ、その土塁は副郭、主郭を取り巻くように防御しています。
これが櫓台のあった位置から見た土塁です。
この土塁を中心に、右下が副郭、左下が空堀になります。
敵兵が堀をよじ登って攻め上がろうとしても、城兵が土塁の上から攻撃するわけですね。
副郭からいざ、主郭へ!
櫓台の上からのアングルを確かめたところで、
もう一度、副郭に戻り、今度はそこから主郭に侵入します。
動画でご覧ください。
ご覧のように副郭は周りが土塁で囲まれ、
狭い虎口を通って入った主郭も同様に土塁で囲まれています。
腰曲輪(こしぐるわ)で城の防御を固める!
さて主郭までやってきました。
次に、主郭・副郭を囲むように造られた腰曲輪(こしぐるわ)を確認します。
腰曲輪(こしぐるわ)とは、、
以下の絵図をご覧ください。
この絵図のように、腰曲輪(こしぐるわ)があると、
敵兵は登りにくいうえに、その腰曲輪(こしぐるわ)の上から城兵が射撃することもできるわけです。
ちなみに、この絵図は城郭・戦国史研究家の西股先生の著書より拝借しました。
まずは主郭の土塁上から見下ろした動画をどうぞ。
土塁上から見下ろすと、
腰曲輪まで、そこそこ高さがあるのがお分かりかと思います。
ここが腰曲輪(こしぐるわ)ですね。
幅はおよそ4〜5メートル、といったところでしょうか。
城兵はここからさらに下の敵兵を見下ろす形になります。
次に、この腰曲輪(こしぐるわ)から下を見下ろした動画を。
次に見たのがこの空堀です。
左側が副郭を囲む土塁になります。
ここは長い年月で埋められてきたのか、それほどの高さはありません。
最後に、一番下まで降りてきました。
ここから見上げると、少し上に腰曲輪(こしぐるわ)が、
そしてさらにその上に主郭を囲む土塁が見えます。
つまり、敵兵は主郭に到達するためには、
腰曲輪(こしぐるわ)、そして土塁を越えなければいけません。
それまでに、城兵にやられますね。。
今回の城巡りは以上です。
では、またの記事で。