茨城を訪れたら必ず見るべき!!関東では珍しい、立派な石垣を備えた山城〜笠間城(かさまじょう・常陸(茨城))
いきなり驚かせてくれた、大きな大黒石
城巡り好きの皆さん、こんにちは、シンです。
2024年4月16日(火)。
茨城県笠間市にある笠間城(かさまじょう)へ。
◉城のジャンル
山城
◉文化遺産としての見どころ
◉防御施設としての見どころ
◉駐車場所
笠間城跡のふもとに「千人溜駐車場」あり
JR笠間駅から徒歩約45分
この城の歴史は長く、遠く鎌倉時代にまでさかのぼるようです。
城の城主は笠間氏➡️宇都宮氏、そして1590年の小田原征伐後は蒲生郷成が治めたようです。
蒲生郷成といえば、関ヶ原の戦いで石田三成の家老として活躍した蒲生郷舎(がもうさといえ)の父。
ただ、蒲生郷舎(がもうさといえ)は石田三成に仕えた武将とは別人物との説もあり、
その真偽は定かではありませんが、戦国ファンとしては興味をそそられるところです🤔
さて、この笠間城跡に行くには、鉄道を利用するのもありですが、
なにぶん徒歩約45分と、かなり歩くことになりますので、車がおすすめかと。。
城跡のふもとに結構広めの駐車スペースがあります🚙
笠間城大手門跡の手前にある🅿️がそれですが、
今回はあえてもっと北にある駐車場に停めました。
なぜかというと、地図の中ほどにある大黒石というのを検分したかったからです。
こちらが、その駐車場。
笠間城跡からは少し距離がありますが(徒歩約5分程度)、
城跡を検分するには外郭の構造も見るべき、というのが私のスタンスです。
先ほどの駐車場からGoogleマップを頼りに歩いていくと、迷うことはありません。
だいたい城跡を訪れると、途中、このような案内板もありますので、、。
笠間城跡は佐白山というところにあるのですが、
その山を登り始める矢先に、この大きな大黒石があるのです。
う〜ん、、このような注意書きがあるということは、
やはり登ろうとする人がいるのでしょうね。。
佐白山の山頂からこんな大石を落とすなんて、、
何人がかりで転がしたのでしょう、けっこうな大きさですよ。。
こんな石の下敷きになったらひとたまりもないでしょうね。
どうでしょうか。
この石の大きさ、伝わるでしょうか。
坂道の途中には堀跡も。
さて、大黒石を検分し終えたので、笠間城跡へ。
というより、ここもすでに城跡のようなものですが、、。
なにしろ、、
坂道を登る途中、ふと脇の崖に目を向けると、
このような堀の跡が見受けられますし。
山城ならではの光景ではないでしょうか。
尾根伝いに、人が歩けるほどの小道のようなものも見受けられます。
竪堀?あるいは、堀切の跡でしょうか。
いきなり、「千人溜駐車場」に駐車していたら、こういった光景も見逃していたことでしょう。
坂を登っていくと、ここに差し掛かります。
ここを右に曲がれば、「千人溜駐車場」です。
はい、「千人溜駐車場」です。
けっこう、広いですよね。
駐車場のすぐそばに、この千人溜り跡があります。
読んで字のごとく、このスペースに千人の城兵が集結していたのでしょうか。
一つの曲輪のような役割だったかと思われます。
「千人溜駐車場」の敷地内に、この説明板があります。
笠間城の沿革などが記されています。
笠間城の縄張り図です。
このあと、かなり度肝を抜かれることになるのですが、、
右下の表記にあるように、城跡のあちこちに現存する石垣を確認することができます。
”戦国”を思わせる、苔むした、古びた石垣の数々。
笠間城の見どころは、なんといっても、戦国当時の雰囲気がありありと残る多くの石垣です。
これらを存分に紹介します。
まず、説明板のすぐ左側にあるこの入り口から侵入します。
なんとなく、虎口(こぐち)のような造りになっていますね。
虎口(こぐち)についての説明は、以下の記事を参照してください。
ここ、見逃しがちなのでご注意を!!
今の車両止めのある入り口のすぐ右側にあります。
これも立派な石垣です。
わずかしか見られませんが、名残がありますね。。
その石垣を後にし、この坂虎口(さかこぐち)を登っていきます。
城に攻め寄せる敵兵は、この坂を登る途中で左右の土塁城から狙い撃ちされそうですね。。
そしてここが笠間城大手門跡。
戦国当時は、ここに大きな門が敵兵の行手をさえぎり、
城兵から返り討ちにあったでしょうか。。
右手に石垣が見えるのが、お分かりでしょうか。
反対側のアングルから撮影した大手門跡付近の石垣です。
かなり苔むしていて分かりにくいですが、これもまた、現存する石垣ですね✨
最初に縄張り図を撮影し、その写真を見ながらでなければ、ここも見逃していたかもしれません。
それでは、この笠間城大手門跡付近の石垣の様子を、動画でどうぞ。
いかがでしょうか?
復元した綺麗な石垣とは、それこそ、天と地ほどの差がありますね。
戦国ファンの心をくすぐります。
見応えのある石垣は、まだまだありますよ。
次に、その石垣の横にある石段を登っていきます。
この上は少し開けた地になっていて、その下が帯曲輪(おびくるわ)になっています。
帯曲輪(おびくるわ)とは、、
山腹を平らに削った城兵の防衛ポイントであり、
山の下からよじ登ってくる敵兵を撃退するスペースでした。
それでは、この上の台上から大手門を見下ろした動画をご覧ください。
上は円形の広場になっていますが、
ここが帯曲輪(おびくるわ)というわけではなく、ここは後から人工的に造られた広場なのでしょう。
この写真では分かりにくいのですが、、
この円形の広場から眺めた、この下が帯曲輪(おびくるわ)だったと思われます。
草が生い茂り、パッと見には分かりにくいですね。。
二の丸、本丸の石垣群
帯曲輪(おびくるわ)の検分を終え、
続いて二の丸、本丸へと進んでいきます。
今の、円形広場から坂道を登っていきます。
この右手に見えるのが二の丸です。
二の丸に至る石段を登る途中にもわずかですが、石垣が見られます。
今ではおそらく、多くが土に埋もれたと推測しますが、
戦国当時は、この笠間城は城内いたるところに多くの石垣が見られたのでしょう。
石段を登ったところにある、二の丸です。
今では竹藪に覆われ、それとはっきり分かりませんが、
ある程度の城兵を収容したらしいスペースがあります。
そして、二の丸の横に続く石段を登り、本丸を目指します。
この石段のところでも、本丸を支えるかのような、
立派な石垣を見ることができます。
この苔むした感じ、歴史を感じますね。
ここの石垣の様子、そして本丸広場の様子を動画にてご覧ください。
石段も苔むしていて、歴史というか、風情すら覚えます。
そして明らかに本丸と分かる広場に到達します。
本丸の一隅にある、石碑。
その石碑には、最初に笠間城を築城した笠間時朝のことが書かれています。
文字はほとんど削れていて、判別できません。。
本丸から、二の丸を見下ろしました。
竹林が広がり、分かりにくいですが、ここもある程度の広さがあったことが推察できます。
本丸広場には、佐白山の案内板もありました。
ハイキングコースとしても整備されているようですね。
本丸を奥に進むと、少し盛り上がった台上に行き着きます。
この奥にも行ってみます。
行き着いたところから下を覗くと、
小道を確認できました。
階段状になっているところから推察するに、おそらく笠間城の搦手(からめて・裏口)ではないかと。。
そこから戻ると、土塁と言いますか、
見晴し台のようなものがありました。
登ってみます。
登ってみると、このような。。
さらに奥に進みます。
奥に進むと、笠間城八幡台櫓跡の石碑が。
やはり、見晴し台という推測は半ば当たっていたようです。
おそらく、本丸裏手側に攻め寄せる敵の動向を、この高台から見張っていたのではないでしょうか。
天守曲輪で目にする、笠間城最大の石垣!!
大概は、下から登り、本丸まで到達すると、それで城巡りは終わりと思われるでしょうが、
検分すべき遺構はまだまだあります。
笠間城八幡台櫓跡の先の坂を降りていきます。
ホントにうっすらとですが、、
本丸を囲むように土塁が見られます。
当時はもっと高く巡らされていたのでしょう。
本丸の奥には、このような石碑もありました。
なかなか、みるべき遺構は予想以上に多い印象です。
ですが、これしきで驚いている場合ではありませんでした。。
なんと、本丸の奥にさらに、上に登る石段が!!!
ここで思い出しました。
そういえば、縄張り図には本丸と別に、天守曲輪というのが存在する!!
その名の通り、天守閣さながら、この笠間城で最も高い防衛拠点なのでしょう。
それでは、この本丸の石碑の位置から、その天守曲輪に至る様子を動画でご覧ください。
なんと、大きな石垣!!
そして笠間城天守跡の石碑も。
石段を登ってゆくにつれ、さまざまな石碑が姿を表します。
最も高い位置で目にした荘厳な石垣よ。。
ここまで登ってきた甲斐がありました。
なんと素晴らしい遺構ではありませんか。
このような素晴らしい遺構が現存するものだとは。。
石一つ一つの大きさといい、
間詰石のバランスといい、城巡りファンを喜ばすものとしては十分すぎるのではないでしょうか。。
いや、見事!の一言に尽きます。
上の天守に至る石段脇にも石垣たちがその存在をアピールしています。
その石垣たちを正面のアングルで。
ここも静止画だけではもったいないので、動画でご覧ください。
天守曲輪の下に広がる石垣の見事さもそうですが、
本堂に至る石の大きさよ!
登るのに少し苦労しましたが、そうまでしても登る価値はあります。
天守の本堂です。
これも歴史を感じます。
もれなく、お参りしてきました。
笠間城の最頂部から眺める、筑波山系の山並み。
う〜ん、絶景かな、絶景かな。
これまでの登りで溜まった疲れも吹き飛ぶようです。
城巡りの醍醐味、というやつですね。
天守曲輪を後にし、下山します。
本丸に至る道も土橋になっています。
両脇には、それとわかる堀の跡が見受けられました。
先ほどの、本丸の石碑の手前には、このようなものもありました。
その近くから見下ろすことのできる坂道。
帰りは、この道を下っていきます。
この坂道の脇にも土塁らしきものが。
こういったものも見逃しません。
今下っている坂道の右下にも道があるのが確認いただけるでしょうか。
それなりの高さの山城ということです。
ふもとの、「千人溜駐車場」の位置まで戻ってきました。
山頂までの所用時間はおよそ10分ほど、といったところでしょうか。
桜の花が見事だったので、思わず撮影。
城巡りには絶好の時季かもしれません🌸
駐車場を振り返り、笠間城跡を去ります。
圧倒的な石垣、存分に検分させていただきました。
予想以上の迫力に、終始圧倒、感動されっぱなしでした。
こういう城跡を今後も巡り歩き、その魅力を皆様に伝えられればと思います。
では、またの記事で!!