急峻な山城なれど、豊臣軍の猛攻に1日で落城してしまった城〜八王子城(はちおうじじょう・武蔵(東京))

2024年6月24日

標高約460メートルの急峻な山城!

こんにちは、シンです。

2023年5月25日(木)。

今回は、東京都八王子市にある八王子城(はちおうじじょう・武蔵)にやってきました🚙

いやぁ、ここは本格的な山城です。

軽装で来てしまったので激しく後悔しました😓

皆さん、ここの山城を登るときはある程度、「山登りの準備」をお忘れなく😅

八王子城(武蔵・東京都)

◉城のジャンル

山城(やまじろ)

◉文化遺産としての見どころ

評価 :4/5。

◉防御施設としての見どころ

評価 :3.5/5。

◉駐車場所

専用駐車場におよそ30台分ほどの駐車スペースあり

こちら、専用駐車場から見た様子です。

多くの旗が風にたなびいて、雰囲気バツグンです😆

正直、この時点でかなりテンション上がります🔥

これも駐車場から確認できます。

北条家の家紋がくっきりと。。こちらもかっこいいですね🔥

さてどこから見て回ろうかと考え、

Googleマップを確認すると、、

『八王子城ガイダンス施設』というのが。。

ここから行きます✊

城主不在ながらも、よく戦い抜いた北条の家臣たち!

はい、こちらがガイダンス施設です。

さっそく中を見ていきます。

八王子城の城主は赤色でハイライトされている北条氏照(ほうじょううじてる)です。

『戦上手(いくさじょうず』として知られていますし、

北条家の「お家芸」である、各軍事施設を構築する天才でもあります。

この説明図を見ても、

氏照が戦においてよほど信頼されていることがよく分かりますね。

かの名将・武田信玄を滝山城の戦いで撃退しています。

北条氏照は、かつて滝山城の城主でしたが、

本能寺の変で織田信長が滅んだ時、関東の情勢を早期に察して、

少人数でも守りやすい峻険な山城を八王子に築くことにしました。

しかしながら滝山城もかなり堅固な城です。

👇滝山城についてはこちらの記事を参考にしてください👇

ざっくりとした八王子城の縄張り図もありました。

後で各施設をじっくり見て回ります。

これは武田信玄が滝山城に攻め込んだ時の様子を描写したものですね。

北条氏照はよく奮戦し、守り抜きました。

こちらは八王子城が豊臣方の大軍に攻められ、落城した時の様子です。

北条方は城主・氏照が小田原城に参陣のため不在となり、

家臣の中山・狩野の両名を中心によく戦い抜きました。

前田利家徳川家康が二人の死を惜しむほどですから、よほどの戦ぶりだったのでしょう。。

それでは、このガイダンス施設を後にし、次に各防御施設を見て回ります。

見ごたえのある木橋を渡り、御主殿へ

駐車場から少し歩くと、

近くにガイドさんが待機している休憩所があります。

この近くから見ていきます。

矢印板もありました。

まずは御主殿へ。

道の途中、このように大手門の跡が。

地形から察するに、

おそらくこの辺りに大手門があったと思われます。

御主殿の方向へ、ひたすら山道を前進していきます。

前方に大きな木橋が見えてきました。

その下が大きな堀切(ほりきり)になっています。

気持ちがたかぶってきます。

木橋の向こうには、御主殿に通ずる登り道が。

では、ここから木橋を渡って前進する様子を動画でご覧ください。

橋の下は深い掘になっています。

石垣の造りも立派ですね。

石垣の間には、びっしりと詰め石が埋め込まれているのも見てとれます。

ここで足元をよく見ると、

おそらく詰め石(?)と思われるものが落ちていました。

こういうのを見れるのも城址ならでは、ではないでしょうか。

この石段を登り、いざ御主殿へ!

この光景だけでも、雰囲気バツグンですよね。。

実はこの石段のところが虎口(こぐち)になっていて、

容易に敵兵が侵入できない造りに。

高低差が9メートルもあり、大きく折れ曲がっているので、

敵兵は攻め登るのが難しく、その途中で城兵の狙い撃ちを受けるわけです。

ではこの虎口(こぐち)を攻め登るイメージを動画で。

この動画では伝わりにくいのですが、

この石段も一つ一つが幅広く(奥行き)があり、

一気に駆け上るのは至難のわざです。

この点も、もしかしたら防御上、考慮されていたのかもしれません。

御主殿に到着しました!!

かなりの広さがあります。

このように、御主殿の内部の間取りも、細々と表示されています。

中には、このような「会所(かいしょ)」と呼ばれる、儀式や宴会用の場所まで。

では、この会所を歩いた様子を動画に収めましたので、ご覧ください。

壁などがない分、

逆に間取りの広さがよく分かりますね。

各部屋はそれほど広くなかったようです。

「血で赤く染まった滝」の言い伝え

御主殿の検分を終え、この道を下っていきます。

『御主殿の滝』も、戦国好きな方であれば、知っているのではないでしょうか。

八王子城の落城の際、多くの城兵や女子供が自害し、

滝を流れる水が赤く染まったという。。

私も昔、歴史ドキュメント番組でこの無惨な光景を見たことがあります。。

では、ここを流れる滝の様子を動画でどうぞ。

お墓もあり、供養物が供えられています。

坂道の上が御主殿ですね。

滝の流れを見ていると、当時、ドキュメント番組で見た凄惨な光景が蘇るようです。。

先ほどの橋の下を通って、今度はいよいよ山頂の本丸などへ向かいます。

いや〜、石垣も立派ですね。

甘く見ていた山登り、、本丸までの道のりは険しく、、

最初の休憩所に戻り、

ここで八王子城のイメージ図を確認しました。

これを見るだけでも、相当な険しさの山だということがお分かりかと思いますが、、

私はなぜか軽く考えていました。。

後で激しく後悔することになります。。😓

矢印板に従い、山頂の本丸を目指します。

「よし!ここからだな!」

この時点では、かなり意気盛んでした。

大概の城跡には、このような矢印版がポイントごとにありますので、

まず迷うことはありません。

ありがたいことです。

まだまだ山登りは始まったばかり。。

この辺りは、ほんの序の口です。

ところどころに石垣の跡らしきものも見られます。

当時は要所要所に、遺構があったのかもしれません。

この辺りで、少し山道を動画撮影しました。ご覧ください。

山道そのものも、なだらかなところばかりではなく、

時々、このように石段があったり、木の根が生えていたりで、歩きにくいです。

まあ、敵兵の侵攻を遅らせる助けにはなったのでしょう。

このように、ですね。

木の根が足元に広がっていたり、

石段や木の階段があったり、、少しずつ息が切れていきます。

山城を登る際は、しっかりとした服装、飲み物なども準備するべきですね、反省。。

そうこうしているうちに、最初の曲輪、金子丸に到着しました。

「尾根をひな壇状に造成し、、」というのはここから確認できなかったのですが、

ここがおそらく金子丸だったのでしょう。

ここ以外に、険しい山道で開けた場所はありません。

険しい山城での戦いは狭い場所をどう使うか、かなり考慮されていたかと推察いたします。。

だいぶ疲労が溜まり、肩で息をするようになった頃、

この「柵門跡」に着きました。

山道そのものが狭いため、確かに門を築くと、防御上かなり有効だったでしょうね。

柵門はこの辺りにあったと思われます。

心臓をバクバクさせながら、ようやく「九合目」まで来ました!

「本丸まであと少しか!」

期待心を抱きながら、疲れた身体を前に進めます。

少し休憩しながら、

八王子市の市街を見下ろします。

皆さん、本当に山城巡りを軽視しないでください。

(いや、軽視しているのは自分だけか。。)

やっと、本丸跡の神社らしきものが見えてきました。

ここまでよく頑張った、自分。

近くにはこの説明板もありました。

ホント、攻め登るのは難しく、守りやすい城ですよねぇ。。

んっ?

奥に進むと、「本丸」の矢印版が!

そうか、ここはまだ「本丸周辺の曲輪」だったのでした。。

あと少し、頑張ります!

人が一人、ようやく通れそうな細道を登っていきます。

今度こそ!!

今度は間違いなさそうです。

ここが山城の中心部ですね。

確かに、これだけ険しい山城だと、開けた平地はほとんどなかったでしょう。

また、城の守護神であった八王子権現が「八王子」の名前の由来だったのですね。

勉強になります。

この、それほど広くない平地が本丸跡のようです。

「八王子城本丸趾」の石碑もありました!!

せっかくここまで登ってきたのです。

松木曲輪もしっかり検分していきます。

ここが松木曲輪のようです。

山の下を広く見渡せること以外、ここもそれほど広くはありません。

あの前田利家徳川家康に惜しまれた北条の家臣、中山が守っていた曲輪のようです。

遺児が水戸徳川家の家老にまでなるとは、、

よほど素晴らしい武者ぶりだったのでしょう。

険しい山道を降りてきて、

最後に「屋外模型広場」へ。

う〜ん、、

やはりこの模型を眺めるだけでも、いかに峻険な山城か。。

今回は身をもって体感いたしました。。

攻め登る敵兵の気持ちが少しは分かったつもりでいます😓

これにて、八王子城の探索を終えます。

途中、山城登りの大変さばかり愚痴ってしまいましたが、、

峻険な山に見事、堅固な山城を築いたものです。

滝山城のことといい、北条氏照のこと、改めて脳裏に刻みました!

そして惜しくも散っていった中山・狩野の北条家臣も忘れないことでしょう。

少しでも興味が湧きましたら、一度訪れてみてください。

「山登りの準備」だけはお忘れなく!

👇滝山城についての記事はこちらです👇

➡️『各地の城一覧』ページ